新学期が始まった2日、神戸市立中学校のうち中央区の6校で全員給食が導入された。神戸市教育委員会は、今後、段階的に全員給食に切り替える学校を増やしていき、2026年1月までに全市立中学校82校で導入する予定だ。しかし、導入初日は、給食を提供する民間会社の機械の不調で品数が減ったり、配達が予定より1時間以上遅れたりするトラブルがあった。

 市教委によるとこれまでは、食事の提供を希望する生徒は、民間業者がつくるランチボックスを食べ、それ以外の生徒は弁当を持参していた。ランチボックスの希望者は全体の5割程度だったという。

 そんな中、生徒からは「ランチボックスのおかずが冷たい」という声が上がっていた。一方で、弁当を作るのは負担という保護者の意見も出ていた。そこで、市教委は市立小学校と同様に温かい給食を提供することに決めた。

 各家庭の負担額は、市からの補助を差し引いて1食170円。栄養バランスなどを考慮して市教委が献立を作成している。主食と汁物に加え、おかず2品が基本のメニューになる。

 2日、市立神戸生田中学校(神戸市中央区)の3年4組の教室では、「おいしい給食いただきます」という当番の号令のもと、30人が手を合わせ一斉に食べ始めた。3年で生徒会長の前川実咲さん(14)は「温かくて、からあげもさくさくしていてよりおいしい」と話した。

 この日のメニューはご飯、豆腐と野菜のスープ、鶏肉のからあげ、みかんゼリーだった。しかし、当初予定していたきゅうりと大根のおかかあえは、給食をつくる工場で機械のトラブルがあり、提供できなかった。後日、同じ栄養価と価格のメニューを追加するという。

 また、調理や配達などの段取りがうまくいかなかったとみられ、学校へ予定の時間通りに配達されなかった場合や、教員分のからあげが届かないケースもあったという。

 市教委の担当者は「生徒が『おいしい』と言ってくれてよかった。トラブルについては、事業者とより密に連携し対応していく」とした。(杉山あかり)

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