M―1グランプリ王者のマヂカルラブリー村上さん(39)=吉本興業=が愛知県東部の新城市の観光大使に就任した。同市は村上さんが高校卒業まで過ごした出身地で、市の要請に応えた。今月16日の就任式で、村上さんは「観光大使は夢だった。やっとかなって、すごくうれしい。全国に発信していける観光大使になります」とアピールした。

 今年1月、市内であったライブに出演した際、マネジャーを通じて、大使就任の打診を受けたという。委嘱期間は1日から3年間。下江洋行市長は今月16日の就任式で「抜群の知名度と発信力でふるさと新城をより元気にしていけるようお願いします」と委嘱状を手渡した。

 村上さんは同市初の観光大使。市観光課の職員らはこの日、村上さんの顔をコピーした40のお面と40本のうちわを事前に用意。各課の職員が面をかぶり、うちわを手に、村上さんを待ち構えて歓迎した。「すごく歓迎していただいて、本当にうれしかった」と村上さん。市観光課の横山和典課長(50)は「やってよかった。村上さんにPRしていただけるよう、いろいろな企画を考えていきたい」。

「笑いの力」借りて届けるメッセージ

 愛知県東部の東三河地域では、笑いの力を借りて、わがまちを積極的に広報する自治体が目立つ。田原市はいずれも市出身の「はんにゃ」の金田(かなだ)哲(さとし)さん(38)=吉本興業所属=や、「オアシズ」の光浦靖子さん(52)、大久保佳代子さん(52)=ともに人力舎所属=のお笑いタレント3人に「ふるさと大使」を委嘱。蒲郡市は1組2人、豊橋市は2組3人の「住みます芸人」を受け入れている。

 一方、豊橋市は22年4月、吉本興業グループのよしもとエリアアクションと包括連携協定を締結。テレビでおなじみのお笑い芸人が市の環境イベントに登場するようになった。

 吉本興業関連の事業費は23年度が920万円、24年も同程度の見込みだという。市の情報発信を担当する市広報戦略室の石川達也室長(49)は「笑いの力で耳を向けてもらって、伝えなくてはいけないメッセージを市民に伝えるという意味合いでは、いい手段だと思う。行政が苦手としていた子どもや若者に伝えるツールが一つ増えたようにも感じている」と話す。(戸村登)

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