【ワシントン共同】米航空宇宙局(NASA)は14日、木星の衛星エウロパに向け、探査機エウロパ・クリッパーをフロリダ州から打ち上げた。衛星の表面は氷に覆われ、下に深さ100キロ前後の海があるとみられる。上空から観測し、地球の海底のように原始的な生物を育む環境が存在するかどうかを探る。木星周辺には2030年4月に到着する予定だ。
エウロパは95個見つかっている木星衛星の一つで、直径は3100キロと月の9割ほど。表面には多数の亀裂が走り、水蒸気が噴出する場所もある。生命誕生に必須な(1)液体の水(2)有機物(3)エネルギー―が確認されれば、地球だけが特殊な存在ではない可能性が出てくる。生物を直接確認しに行く太陽系探査にも道が開けそうだ。
探査機は衛星の上空を50回近く通過しながら観測。可視光のほか赤外線や紫外線を捉えるカメラを搭載し、精密な地表の地図を作成する。薄い大気や地下から噴出する気体を分析し、生命の原材料となる有機物を探索。氷を透過するレーダーや、磁力計で海の深さや塩分濃度を調べる。
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