「宇宙人」とも呼ばれる理3の学生たち
『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)東大は、学科によって難易度が異なります。「合格最低点が低い学科」と「合格最低点が高い学科」があるのです。
文系は、文科1類・2類・3類に分かれています。昔は1類の合格最低点がいちばん高かったのですが、現在では低くなってきており、文系学部の難易度の差はなくなってきています。
一方で、理系は難易度に差があります。理科1類・2類・3類に分かれているのですが、この中でいちばん難易度が高いのが理科3類、通称「理3」です。
2024年度入試では、理科1類の合格最低点が550点満点中、約326点、2類が約314点だったのに対して、3類は約380点。2類とは60点以上もの差がついています。
合格者の人数も約100人と、ほかの学部と比べて枠が狭く、東大の中でも別格の頭のよさだと言われています。僕も実際に理3の学生と話すと、「本当に頭のよさが違うんだな」と感じることがあります。漫画『ドラゴン桜』の中では、この理3に合格する人たちのことを「宇宙人」と呼んでいます。
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(漫画:©︎三田紀房/コルク)さて、理3の学生にはどんな性格の人が多いと思いますか? 今回多くの理3の学生たちと話す中で、その「共通点」が見えてきたので、みなさんにシェアしたいと思います。
理3の学生の共通点とは、「面倒臭がり」だと僕は考えています。合理的で、無駄なことはしない。精神論が嫌いで、「いかにして楽をするか」ということを考えている場合が多いのです。『ドラゴン桜』では、理3志望の大沢くんという生徒が登場するのですが、その理由について、以下のように説明されています。
(漫画:©︎三田紀房/コルク)(漫画:©︎三田紀房/コルク)(漫画:©︎三田紀房/コルク)というわけで、理3の学生は、彼のように「楽をしたい」という考えを持っている人がとても多い印象を受けます。
この連載の一覧はこちら例えばどんな勉強をしていても、「この勉強、意味あるのかな?」と考えるのです。
30分勉強するにしても、普通は「とにかく数学を頑張ろう」と考える人が多いわけですが、理3の学生は「この30分に意味はあるのかな? ちゃんと効果が上がっているのかな? 無駄な勉強をしていないかな?」というように考えるのです。
もし効果がないのであれば、すぐにやめて、ほかに効果が出る勉強に切り替えます。
理3合格者は勉強時間が長くない
また、理3に合格している人の多くは、勉強時間があまり長くありません。
理3以外に関して言えば、東大に合格した多くの人は、やはり長時間勉強しています。休日に1日15時間勉強して東大に合格した、という人も多いです。
一方で理3の学生の場合は、机に向かう時間自体は1日8時間くらいだった、という人のほうが多いです。ほかの人よりも勉強時間を短くして、「8時間しか机の前には座らない」と決めたうえで、その勉強の質を高めよう、と考えているようです。
ちなみに、勉強時間を短くした分、遊んでいたわけではないようです。「夜の時間は、好きな本を読んでいた」というような人も多いです。
理系の論文を読むのが好きだとか、理系だけど世界史が好きで世界史の本を読み漁っていたとか、そんなふうに語る人が多く、遊びと勉強の境目が曖昧な印象を受けました。
どこまで参考にできるかは、人それぞれだと思いますが、「面倒臭い」と思うこと自体は悪いことではないのかもしれません。「長時間勉強しているのに、なんで結果が出ないんだ」と悩んでいる人は、時間をかけずに結果を出すにはどうすればいいか? と考えるようにしてみてください。
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