学校授業の持ちコマ数について、NPO法人スクール・ボイス・プロジェクト(SVP)が教員にアンケートをした結果、小学校教員の8割が持ちコマ数を負担と感じていることが分かった。SVPは「多忙さ解消のため、教員を増やすか仕事を減らし、1人当たりの持ちコマ数に上限を設けるべきだ」と提言する。

持ちコマ数についての教員アンケート結果を説明する武田緑理事(左)ら

 持ちコマ数は児童生徒が受ける授業のうち、1人の教員が担当する数。国が定める標準授業時数は、小学4年~中学3年で週29コマ。持ちコマ数が20なら、残り9コマ分は授業準備などに充てられる。  アンケートは昨年9~12月、SVPのサイト「フキダシ」に登録する全国の小中高などの教員を対象にし、335人が回答した。  回答者の持ちコマ数は、26コマ以上48人、21~25コマ108人、16~20コマ109人、11~15コマ41人、10コマ以下29人。教頭など管理職、授業準備により多くの時間がかかる音楽や図工の教員らもおり、コマ数が少ないから負担が軽いとは限らない。  持ちコマ数について、小学教員の49%が「多くて負担」、29%が「どちらかというと多くて負担」と回答。合わせると80%近くが「負担」と感じていた。同様に「負担」と感じている中学教員は54%、高校教員は58%だった。  十分な授業準備に望ましいコマ数を聞くと、小学教員は「16~20」が70%、中学と高校は「10~15」がそれぞれ63%、68%で最多。  16日に都内であったSVPの会見には、回答した教員6人がオンラインとビデオで参加。愛知県の小学校の女性教員は低学年で週25コマを持ち、児童の在校中は空きコマが無いという。「宿題の丸付け、連絡帳への返事書きなどは休憩時間を使う。空きコマがあれば、児童と接する機会がある」と訴えた。 SVCの武田緑理事は、「今の学校はアクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び)を求められ、常に授業のアップデートが必要。授業準備に多くの時間がかかる」と指摘した。 (榎本哲也)


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