小学6年生と中学3年生の全員を対象とした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が18日、行われた。今回は国語と算数・数学の2教科。文部科学省によると、行事のため後日実施する学校も含め、小中約2万8000校の児童生徒約202万人が参加した。私立は395校で参加率37.8%。

◆地震で愛媛・高知の14校、輪島の12校は参加せず

全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に臨む児童=代表撮影

 17日夜に震度6弱の地震が発生した愛媛県、高知県では18日正午現在、小中13校が休校、特別支援学校1校が児童生徒の状況を考慮し、この日の実施を見送った。能登半島地震の被災地では、休校中の学校や、実施が困難な石川県輪島市の全12校が参加していない。  文科省はテスト後、出題の狙いを公表。小学国語では、1〜6年生が同じ班で活動する「たてわり遊び」の良さを書く問題で、事実と感想、意見を区別して文章で伝える力を問うた。  小学算数では、桜の開花日を題材に、年代ごとの開花日をまとめた折れ線グラフを読み取ったり、開花予想日を求める式を選ぶ問題が出た。

◆アンケートは初めて、全員オンライン回答

 中学数学では、データのばらつき具合を示す「箱ひげ図」が3年連続で出題。昨年度は正答率33.9%で、課題が見られていた。  中学国語では、インターネット上で自分の好む情報だけに囲まれ、多様な意見から隔離される「フィルターバブル現象」について話し合う様子を題材に、自分の考えを書く問題が出た。

全国学力テストで学習用端末を使用し、オンラインで質問調査に臨む生徒=18日、東京都内の中学校で(代表撮影)

 児童生徒に生活習慣や学習環境などを質問するアンケートでは初めて、全員が紙ではなく、学習用端末を使いオンラインで答えた。端末活用は2021年度から一部で試行していた。  結果は集計・分析してデータを公表。教育施策の成果や課題の検証、改善に活用される。(榎本哲也) 

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