サッカーのJリーグでJ1に今季初参戦しているFC町田ゼルビアが、選手の食事をサポートしているクラブの栄養管理アドバイザーが考案した給食用の献立を地域の小中学校に提供した。良いパフォーマンスを発揮するために選手が日常的に意識している食事の大切さ。こどもたちにも、自身の体づくりに必要なこととして関心を持ってもらえればという。

J1町田ゼルビアの「コラボ給食」を食べる子どもたち(提供写真)

◆きっかけは保護者らからの要望

 選手たちは普段、午前練習の後はクラブハウス内の食堂で、栄養管理された昼食を食べている。ゼルビア在籍9年目のベテラン、FW中島裕希選手(39)は「決まった量のランチで、サラダは自分で取る形式。肉や魚、野菜、小鉢などバランスよく出してもらっている」。自宅でも栄養バランスのとれた食事を心掛けている。  選手は体が資本と言われる。だからこそ、ゼルビア地域振興部の野村卓也部長によると、部活動に打ち込む生徒の保護者らからも「どんな栄養を取ればいいのか情報提供してほしい」などの要望があったという。ゼルビアはホームタウンである東京都町田市の教育委員会と連携し、今回はコラボ給食として市立小中学校で2月に実施した。中学向けは2019年以来、コロナ禍を挟んで4回目となり、小学校では初だった。  とくに選択制の中学向けには勉強や部活動で力を発揮してもらいたいと、スポーツ選手に必要な栄養を効果的に摂取できる献立を考案、ランチボックスで提供された。小学生向けは年代的に必要な栄養素の多いメニューを考えた。

◆選手も協力「バランスよく食べて」

 JリーグではJ1アルビレックス新潟などが地元の給食に特別メニューの提供などで協力している。クラブにとっては地元チームを応援してもらうきっかけにもなり、中島選手は「(給食をきっかけに)応援してもらえたら僕たちの力にもなる」と話す。  選手もコラボ給食に協力した。中島選手は子どもたちに向けて「スポーツをすると体が強くなり、成長に良い影響を与えます。食事は体を支える重要な役割を果たしていて、バランスの取れた栄養が健康な体をつくります。だから子どものころから好き嫌いなく何でも食べることが大事」とメッセージを送っている。  その上で自身の小学時代を振り返りながら「僕は配膳で余ったものがあればじゃんけんをしていっぱい食べたい派だった。スポーツで上を目指すには、バランスよくたくさん食べることが大事」と話す。(上條憲也)


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