昨年4月に首都圏の私大に入った新入生のうち、自宅外通学者の生活費は月平均1万9600円だったことが、私大などの教職員組合でつくる東京私大教連(委員長・濱岡剛中央大教授)の調査で分かった。仕送りから家賃を引いた額で、1日653円で暮らしている計算になる。

◆仕送り↓ & 家賃↑ 「長時間バイトせざるを得ない」

 仕送りの減額と家賃の高騰を受けた。教連の田中雅敏中央執行委員(東洋大教員)は「多くの学生は生活のため長時間アルバイトせざるを得ない」とし、学費や奨学金返済の負担軽減、私学助成の増額などを国会に求める署名を集める。  1985年度から毎年調査。39回目の今回は昨年5~7月、東京、神奈川、埼玉、栃木の1都3県の13大学・短大の新入生の保護者に調査票を配り、3905件の有効回答を得た。  自宅外通学者(1383人)の仕送りは、出費が落ち着く6月以降の平均で月8万9300円。前年度比700円増で、ピークだった1994年度の12万4900円より3割近く減った。家賃は平均6万9700円で過去最高だった。

◆「1000万円準備したけど足りなかった」

 自宅外通学者が受験から入学までにかかる費用は、230万2181円と過去最高。家具やパソコンなど生活用品費が36万3800円で特に上がり、前年度比14%増。仕送りなども加えた、入学年にかかる総費用は312万7281円で、世帯の税込み平均年収952万円の32.9%を占める。  自由回答欄には「学資保険などで1000万円を準備したが足りず、奨学金を借りた」「子供2人の学費280万円、パソコン購入や定期代など300万円超。年収500万円未満の家庭ではあり得ない」「政府の子育て支援は小さな子だけでなく、いちばんお金がかかる大学生にも」などの声があった。 (榎本哲也)

会見する東京私大教連の濱岡武委員長



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