札幌市で8月に開かれる「全日本おかあさんコーラス全国大会」(全日本合唱連盟、朝日新聞社主催、キユーピー協賛)の出場団体が、各地で次々と決まっている。コロナ禍で打撃をうけた同大会は、参加する合唱団を増やそうと、予選段階から「改革」を実行中だ。今年は初めて男性の入った合唱団も出場できるようにした。

 おかあさんコーラス大会は1978年から続く女声合唱の祭典。演奏だけでなく衣装や振り付けなども含めたステージが総合的に評価されるのが特徴だ。今年は8月24、25日に札幌コンサートホールKitaraで全国大会が開かれ、全日本合唱連盟の九つの支部から推薦された68団体が出場する。

 コロナ禍での大会中止などにより、2019年に900近くあった地方大会の参加団体は一時、3割以上減った。昨年、668まで回復してきたが、さらに参加を増やそうと、今年は二つの試みを実施している。

 一つは、出演人数の2割未満であれば男性の参加を可としたことだ。合唱の世界では男声と男性、女声と女性はイコールではない。同じ声の高さが出せるなら、男声合唱に女性、女声合唱に男性が交じることはよくある。このため、おかあさんコーラス大会でも、楽譜に指定された音の高さで歌うことを条件に男性の参加を認めた。

 6月初めに開かれた東京支部大会では、栗原寛さん(45)が町田女声合唱団のメンバーとして登場。アルトで歌いながら、途中で前方に進み出て「語り」も務めた。栗原さんは「幸せなステージでした」と笑顔を見せた。

 もう一つの「改革」は、合唱連盟に未加盟の団体も支部大会までは出られるようにしたこと(支部ごとに判断)。初めて支部大会に出る団体に限った措置で、2回目以降は地元の県連盟などに加盟する必要がある。

 二つとも今年試行したうえで、来年以降も継続を検討する。

 全国大会は両日とも午前10時から。入場料1日2700円。無料のライブ配信も計画中。問い合わせは全日本合唱連盟(https://jcanet.or.jp/ 03・5540・7813)へ。(松村康史)

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