新型コロナウイルスのワクチン接種後の「有害事象」と生活習慣の関係を、岐阜大の研究チームが学生を対象に調べた。女性や低体重の学生で有害事象の頻度が高かった。一方、毎日朝食をとる学生は有害事象が少ない傾向があったという。
研究チームは、2021~22年、モデルナ社製ワクチンの接種後の症状についてアンケートを実施。毎年1回の健康診断時の生活習慣に関するアンケートとあわせて分析した。接種した4214人のうち、両方のアンケートには1858人(1回目の接種後1626人、2回目の接種後1215人、3回目の接種後456人)が回答したという。
有害事象としての回答は、接種した部位の腫れや痛み、かゆみなど。全身の症状としては頭痛や倦怠(けんたい)感、発熱、関節痛、筋肉痛、腹痛、下痢など。接種の当日か翌日、学生の89.7%が接種した部位で症状があったと回答した。全身の症状は64.3%という。岐阜大の学生では2年間で生命が脅かされるような症例や入院はなかった。
分析の結果、接種回数が増えること、女性であること、BMI(体格指数)が低いことが有害事象の発生率の高さと関連していた。一方で、朝食を毎朝とることや、睡眠時間を長くとることは、発生率の低さに関連していたという。
岐阜大の手塚宜行特任教授(感染症学)は「健康的な食事と睡眠の習慣、理想的な体重の維持といった生活習慣が関連していた。有害事象が心配な方ほど、生活習慣に気をつけていただけるとよいと思う」と話している。
専門誌のオンライン版に6月、論文(https://doi.org/10.1016/j.jvacx.2024.100516)が掲載された。(木村俊介)
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