虐待で家庭に居場所がないなど、困難を抱えた子どもや若者が安全に宿泊でき、必要な支援を受けることができる「こども若者シェルター」を整備するため、こども家庭庁は検討会を立ち上げた。年度内にガイドラインをまとめ、自治体の取り組みを促したい考えだ。

 検討会は、シェルターの退所者や有識者らで構成。14日に初回の会合を開いた。

 繁華街などで、こうした子どもが犯罪に巻き込まれるなどしており、同庁は今年度からシェルターに対し、最大で4067万円の補助を出す事業を始めた。自治体がNPOに委託して運営する形などを想定している。

 シェルターの対象となるのは、虐待などで家庭で過ごすことが難しい10~20代の子どもや若者。児童相談所の一時保護所での生活を望まない子どもなども含む。食事の提供などの生活支援を受けながら宿泊でき、利用できるのはおおむね2カ月。必要経費は原則自治体が負担する。カウンセリングや就労・就学支援、弁護士による相談支援などをする場合には補助を加算する。

 一方、子どもの親権者への連絡の必要性の有無や手段、子どもの安全と権利を守りながら、どのように子どもを支援して退所後の生活につなげるのかなど、様々な検討課題がある。検討会は、シェルターを運営するNPOへのヒアリングなどを踏まえ、子どもへの説明や権利擁護▽親権者への対応▽児童相談所や関係機関との連携▽自治体間での連携のあり方――などについて整理。自治体向けのガイドラインを作成する方針だ。(川野由起)

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