札幌市教委は24日、市立中学校の女性教員が生徒の個人情報が記載された資料を一時、紛失し、複数の生徒が閲覧していたことを明らかにした。生徒はスマホで資料を撮影したが既に写真を削除しており、学校外やSNSなどへの流出は確認されていないという。

 市教委によると、4月10日夕、女性教員が体育館のステージ上演台に、1年生全生徒の個人情報が含まれた資料をとじたファイルを置き忘れた。2日後、女性教員は紛失に気づき、他の教員と捜索したが見つからなかったという。女性教員は周囲に「ファイルがない」と話していたが、個人情報が含んだ資料であることは伝えていなかったという。

 後日、ステージ上で資料を閲覧した生徒の保護者の指摘で発覚し、ファイルは演台上で見つかった。その後、学校は生徒に聞き取りを実施し、20日に調査を終えた。

 個人情報は生徒の氏名、性別、学習の状況、友人関係、家族状況、学校生活における配慮事項などが記載されていた。2~3年生の十数人が閲覧し、資料を撮影した生徒もいた。撮影した画像は14日に削除を確認したという。

 佐藤圭一学校教育部長は「持ち出してもよい資料と一緒にファイリングしていた。保管の仕方があいまいになっていた」と閲覧の原因について言及。「記載内容の一部については保護者や生徒が目にすれば不快な思いをさせてしまう可能性のある表現も含まれていた。個人情報を閲覧し、不安や不信感を抱いた生徒、保護者のみなさまに心からおわびを申し上げる」と話した。(古畑航希)

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