愛知中央美容専門学校(愛知県小牧市)が5月末で閉校を決め、授業料などの大半が返還されない見通しとなった問題で、愛知・岐阜の計14校が同校の生徒を受け入れる意向を示したことが20日、わかった。専門学校を指導・監督する立場の愛知県も支援に乗り出す考えだ。

 「夢を持って勉強する若者の負担が増えるのは心苦しい」。こう話すのは、名古屋ビューティーアート専門学校(名古屋市西区)の植野いずみ副校長。この学校では、生徒の損失分をそのまま授業料から減額することにしている。「支援の輪を広げ、こういう善意もあると伝われば」

 県内の専門学校などでつくる「県専修学校各種学校連合会」によると、受け入れの意向を示した14校のうち一部は、こうした授業料の減免を申し出ているという。20日に朝日新聞などの取材に応じた同連合会の長谷川義明事務局長は「このような無責任な閉校は記憶にない。県にも経済的支援を求めたい」と語った。

 大村秀章知事は、この日の会見で県の対応を問われ、「大変ゆゆしき事態。きちんと教育を受けられるよう、やれることはやっていく」と強調。県としても、生徒たちに不利益がないよう対応する考えを示した。

 愛知中央美容専門学校の代理人弁護士によると、学校を運営する協同組合の三つの親会社のうち2社が昨年に相次いで経営破綻(はたん)。資金繰りが悪化したという。今年4月に入学した通学生の場合、入学金・授業料を約100万円支払ったが、返金は5万円程度にとどまる見通しだ。(松島研人、野口駿)

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