大阪府吹田市の市立小学校で2018年度にいじめを受けて不登校になったとして当時6年生の男子児童や両親が、市と、同級生だった2人に計680万円の損害賠償を求めた裁判の判決が16日、大阪地裁であった。石丸将利裁判長は、小学校の対応は違法で、原告の教育を受ける権利が侵害されたなどと指摘し、市に50万円の支払いを命じた。

 判決によると、男子児童は同級生から仲間外れなどのいじめに遭い、18年10月から不登校状態になった。11月になり、市教育委員会は、いじめ防止対策推進法の重大事態と判断。学校は11月、クラスの全員に、この児童に関するアンケートを実施した。

 ただ、回答内容について、いじめを受けた児童や保護者に提供する可能性があることを伝えていなかった。また、いじめを受けた児童側に、アンケートを実施することを説明せず、内容に対する希望なども聞いていなかった。

 石丸裁判長は、こうしたアンケートの手法は違法であるなどとし、精神的苦痛に対する慰謝料として50万円が相当とした。

 吹田市は取材に「判決内容の詳細を確認した上で、今後の対応を検討する」とのコメントを出した。(田中祐也)

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