山崎怜奈さんが大学目指した理由
『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)低い成績から、誰もが驚くほどの成長を遂げ、東大に逆転合格した生徒たちの勉強ノウハウを紹介する本連載。今回は特別編です。
アイドルグループの乃木坂46のメンバーとして活躍する一方で、学業を両立させ、慶応義塾大学を卒業。現在もさまざまな番組でマルチに活躍する山崎怜奈さんに、大学受験に関するお話を伺いました。
西岡:山崎さんは、高校時代から乃木坂46のアイドルとして活動を始められたとのことですが、なぜ大学受験を決意されたのでしょうか。アイドルとして活動していくならば、大学に行かないという選択肢もあったと思うのですが。
山崎:一言で言うと、人生の選択肢を増やすためです。私立の中学を受験した頃、自分には「こんな職業につきたい」というような将来の夢がなかったので、「もし将来それが見つかったときのために、いろんな選択肢がとれるように」と思って、大学受験を決意しました。
西岡:アイドルは、将来の夢ではなかったのですか。
山崎:アイドルに憧れがあったからアイドル活動をしていた、というわけではないんです。母が勝手にオーディションに出したところ、1次審査の合格通知が届き、「せっかくなので、社会経験のために」と思って2次審査に行ったんです。
西岡:とても素晴らしい考え方ですね。多くの親は、子どもに対して「将来の夢は何?」と聞いて、すぐに答えが返ってくることを望んでしまい、子どもが何も答えないと、「将来やりたいこと、なんで決まらないの!ちゃんと考えなさい!」と言ってしまう場合もあると思います。
職業の選択肢を知らない状態で、「これがやりたい!」と子どもに選ばせるのは難しいですよね。アイドルとして成功していた山崎さんですら、「まだ将来どうするかわからない」と考えているくらいなのですから。
やりたいことが見つからなくても気にしない
山崎:「やりたいことが見つかりません」とかよく言いますけれど、生まれて18〜19年くらいでやりたいことを明確に答えるなんて無茶な話なので、見つからくても気にしなくていいと思います。
山崎怜奈さん(写真:マウントケープ提供)実際に仕事をしてみないと、やりたいことはわからないものだと思います。そういう意味で、早くからアイドル活動の中でさまざまな大人と関わることができたのは、自分にとってプラスだったと思います。
西岡:アイドル活動をして、「自分は何をしたいのか」という問いと向き合った結果、大学受験を決められたということですね。そこから、アイドルと学業を両立して見事合格を手にしていらっしゃるわけですが、実際に進学された慶応義塾大学の環境情報学部は、第1志望だったのでしょうか。
山崎:実は、第1志望とか第2志望とか、決めていなかったんですよね。
西岡:決めていなかったんですか?
山崎:当たり前だと思いますが、「行きたい」と思ったところを志望したので、言ってしまえば、全部第1志望だったんですよね。模試で第1志望とか第2志望とか、書く欄がありましたが、あいうえお順で書いていました。
西岡:「偏差値」や「行きやすさ」で決められたわけではないんですね。確かに、志望するんだから、どの学校も「行きたいところ」なのは当たり前ですよね。漫画『ドラゴン桜』の中には、水平思考で大学は考えるべきである、というシーンがあります。
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(漫画:©︎三田紀房/コルク)(漫画:©︎三田紀房/コルク)西岡:多くの人が、「合格しやすいかどうか」で直線的に考えがちです。ですが、どの大学にもそれぞれのよさがあり、入試問題の質も全然違います。
この連載の一覧はこちらですから本来は、「自分がどれくらい行きたいのか」で考えるべきなんですよね。山崎さんの考え方はとても素晴らしいと思います。ちなみに、どうして慶応の環境情報学部に行きたかったんですか?
山崎:高校時代に、その当時環境情報学部にいらっしゃった水野大二郎先生の著書を読んで、水野先生が環境情報学部で教鞭をとっていたので、興味を持ちました。環境情報学部について調べてみると、水野先生だけではなく、ほかにも面白そうな授業をしている先生たちがたくさんいらっしゃったので、「こういうところで学んでみたい」と考えるようになりました。
大学で学んだことは今につながっている
西岡:本から興味を抱くようになったのですね。僕は仕事で受験指導をしているのですが、志望校に合格している生徒たちは、やはり「この大学でこの先生の話が聞きたい」という部分が明確な子が多いです。僕自身はその学部で学びたい明確な理由があるほうが、モチベーションにつながり、合格を掴みやすいと分析しています。実際、通ってみていかがでしたか?
山崎:幅広い分野の勉強ができる学部で、さまざまな業界の話を聞くことができました。また、ライティング技術の勉強も履修していました。その当時はエッセイを書きたいとは思っていませんでしたが、その後学んだ技術を活かした活動をしているので、今にもつながっているように感じます。
西岡:最初におっしゃっていたとおり、大学に行った結果として、選択肢が増えたわけですね。
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