(写真:takeuchi masato/PIXTA)就活は、各種テストや書類選考をクリアするのも一苦労ですが、その先の面接選考が一番大変です。ごく稀に、その企業ですぐやっていける「即戦力」がある学生もいるでしょうが、「誇れるスキルなんてない……」と不安になる人も多いでしょう。それでも、いわゆる一流企業や人気企業といった「良い企業」に入っている人は、過去にたくさんいます。もちろん、残念ながらそうでない人もいます。何がその差を分けるのか、『面接官が本音で教える就活面接完全対策マニュアル』より一部抜粋・再構成のうえ、ご紹介します。

「名回答」を考える前に、失点ポイントを押さえよう

著名なアメリカの心理学者メラビアンが提唱した法則の俗流解釈によると、面接では、

・視覚情報──スーツの着こなしや面接官に向ける視線など

・聴覚情報──話し方や声の大きさなど

によって評価の93%が決まり、回答内容(言語情報)は7%しか影響しないそうです。割合の精度はともかく、この解釈は世に広く浸透しています。

なぜかというと、「視覚・聴覚情報」が面接では重要な評価ポイントであることが、すでに現場で証明されているからです。面接官なら誰でもうなずけることなのです。

ここでは「視覚」(見た目と視線)と「聴覚」(声の大きさと口調)について、説明します。

2つのコツ

・スーツのサイズが合っていない

・うつむき加減

これだと、回答内容が良くても高評価はもらえません。ここで2つのコツを伝授します。まず見た目は、スーツの着こなしをきちんとする。ただスーツを着ればいいわけではありません。

サイズが合っていないスーツほど残念なものはありません。大きすぎるとだらしなく、頼りなく見えます。小さくてパッツパツだと滑稽に映ります。「太ったのかな?」などと、自己管理力を疑われることにもなります。

スーツは、社会人としての信頼性の象徴です。残念だと信頼や期待を持たれず、「前向きに頑張ってくれそうだ」「将来が楽しみな若者だ」という印象には程遠くなってしまうのです。学生のうちは、ピンと来ないかもしれませんが、日頃「できる人」のスーツ姿を見慣れている社会人から見ると、「サイズが合っていない」は致命的です。

就活スーツは、一生を左右する勝負服です。「ふだんのTシャツはLだから、スーツもL」と、安易に買うと危険です。絶対に手を抜かず、ぜひ百貨店の紳士服売り場のスタッフのようなプロに、サイズ、着こなしをを含めて見てもらってください。

入学式用に買ったスーツでもかまいませんが、その後体型が変わってサイズが合わないなら、「お直し」という方法もあります。スーツの着こなしを改善するだけで、好感度は100%上がります。

目で熱い想いを伝える

次に視線について。筆者は面接官の目をしっかり見るように指導しています。これは「目は口ほどに物を言う」の通り、「目で熱い想いを伝えるべき」という考え方に基づいています。

「凝視すると失礼」、という意見もありますが、面接官は面接評価シートやエントリーシートを見るため目線を切るので、気にしなくてかまいません。

面接官は、目力の強い人には、「意志やメンタルが強そうだ」、「バイタリティにあふれている」と感じてくれます。相手の目をしっかり見るのは誰でもすぐできることです。今すぐ取り組んでください。

声が小さい、早口で話す──これではせっかく的確に答えても聞き取りづらく、与える印象も良くないのです。そこで、この「聴覚情報」を良くするために、私が伝えたいコツは2つ。

声は大きく&ゆっくり丁寧にです。

面接では、皆さん緊張のせいか声が小さいのです。声を大きく出すのは必須です。応援団のような大声の必要はありませんが、家族や友人との会話の1.2〜1.5倍の声で話すようにしてください。

特に面接の第一声、「失礼いたします」の入室挨拶や、「○○大学△△学部から参りました、吉岡彩菜です。本日はよろしくお願いいたします」と名乗るシーンでは、声の大きさがあなたの第一印象に大きな影響を与えること必至です。

ここでしっかり声が出ていないと、着席してからの面接本番で、もっと声が出にくくなります。大きな声はプラス評価に働いてもマイナスになることはありません。ぜひしっかりと大きな声を出してください。

また、事前に回答を用意していることもあって、その内容を早く吐き出したい心理から、ついつい早口で話してしまう人が多いのです。

面接で一番大事なことは、覚えてきた回答を話し切ることではなく、面接官にきちんと情報を「伝える」ことです。そのためには、いつもよりも心持ちゆっくり話した方が効果的。そうすることで自分の心にもゆとりができ、落ち着いて回答できます。

「座る姿勢」は見られている

座る姿勢も、印象を大きく左右します。背もたれに背中をつけず、後ろ側約半分のスペースを余らせるように浅く座ります。足は、男性は腰幅に広げ、女性はくるぶしと膝をしっかりくっつけます。膝の角度は90度が基本です。

手は、男性は軽く握り、女性は組んで膝と足の付け根の間に置きます。肩の力を抜き、腕と胴体の間に卵一個分スペースが空くのが理想です。背筋を伸ばし胸を張ります。

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