代表的な鏡餅のしつらえ
(PIXTA)
鏡餅
三種の神器である鏡を模して丸く形作り、神さまへの捧げものとした。2つ重ねるのは、陰と陽、太陽と月を象徴すると言われる。
橙(だいだい)
手軽な温州みかんで代用することが多いが、本来は餅の上には橙を載せる。「だいだい」の音が、「代々」に通じることから、子孫代々の繁栄を願う気持ちを込めた。
皮が分厚く、種が多いため一般的な食用には向かないが、爽やかな酸味でポン酢などの原料として使われる。
裏白(うらじろ) シダ類
常緑性の大型のシダ。表面は濃緑色だが、裏側は白色であることに由来して名付けられた。2枚ずつの対で葉が増えること、繁殖力が強く群生することから、夫婦円満・子孫繁栄を象徴すると言われる。徳川家康が関ヶ原の合戦で身につけた甲冑「歯朶具足(しだぐそく)」は、裏白をデザインしたもの。
群生する裏白(PIXTA)
家康の甲冑には裏白(PIXTA)
ゆずり葉
新葉が出てから古い葉が落ちるので、家系存続を象徴する。
紙垂(しで)
紙を稲妻をかたどって裁断したもの。邪気を払い、清浄な場を作る。
四方紅(しほうべに)
四方を紅で縁取った和紙。天地四方を拝して禍を払い、1年の繁栄を祈願する。
いつ飾る? いつ食べる?
「九日餅」「一夜飾り」
近年は、スーパーやデパ地下で鏡餅を購入する人が多いが、かつては年末に餅をついて、鏡餅を作った。「九」の音が「苦」と同じであることから、9日、19日、29日についた餅は「九日餅(くんちもち)」といって嫌われた。その延長で、29日に鏡餅を飾るのを避ける人はいまだに多い。一方で、「29」を「ふく」の語呂合わせでポジティブに捉える人もいるという。
年神様を迎えるのに、「前日に慌てて用意するのはよろしくない」として、31日に鏡餅やしめ縄の準備をするのはご法度と言われる。
水分が抜け、ひびが入った鏡餅(PIXTA)
鏡開き (1月11日)
神様にお供えした餅には、神の力が宿っているとされる。鏡餅を下げていただくことで、神の力を授けてもらい無病息災を願う。「割る」「切る」など侍の死に通じる言葉は使わない。木槌などで叩いて、食べやすい大きさにした上で、雑煮や揚げ餅などにして食べる。
自家製の揚げ餅(PIXTA)
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