1939年に日本の傀儡(かいらい)国家の満州国とモンゴルの国境地帯で、日本とソ連の両軍がぶつかった「ノモンハン事件」を題材にした青年劇場公演「失敗の研究―ノモンハン1939」が、13日から東京都渋谷区の紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAで始まる。青年劇場の創立60周年を記念した公演で、戦争の問い直しがテーマだ。

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 舞台は1970年の、とある出版社。女性編集者が、長期連載企画としてノモンハン事件を提案。編集部からは「過去の事件よりも今のベトナム(戦争)だろう」と反対されるが、大物作家の発案だと伝えると、一転して採用される。女性編集者は、当時を知る人々の証言を取材し、徐々に「どうしてこの戦争を止めることができなかったのか」と疑問が膨らんでいく。

 公演の製作を担った福島明夫さん(70)は「ウクライナやガザのニュースにふれると、無力感に襲われる。そんな時代だからこそ、女性編集者の旅を通じて、戦争に改めて向き合ってほしい」と話す。

 23日まで。16日は休演日で、17日はチケット完売。問い合わせは青年劇場チケットサービス(03・3352・7200)。(木佐貫将司)

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