世界遺産・姫路城の入城料について、兵庫県姫路市が「市民」と「市民以外」の二重料金を設定する方針をまとめた。市民は現行通りの1千円(18歳以上)とし、市民以外はその2~3倍に値上げする考えで、2026年春の料金改定を目指す。市は当初、インバウンド(訪日外国人)の料金だけを高く設定する意向を示し、波紋を呼んでいた。

 市によると、姫路城の維持管理は市の一般会計予算で賄っている。今回の料金見直しは石垣の保存などに必要な財源を十分に確保するのが目的で、担当者は「料金全体を引き上げる中で、ふだん税負担をしている市民の分を値下げするイメージだ」と説明している。

 インバウンドについては、手荷物の預かりなどを含めたオプションプランを用意し、その利用希望者から別料金をもらう考えという。

 今秋のうちに文化庁との間で2025年度から10年間の「姫路城保存活用計画」の協議を始め、認められれば市議会に姫路城縦覧料等徴収条例の改正案を諮る予定。

 姫路城の入城料をめぐっては、清元秀泰市長が6月に市内であった国際会議で「7ドルで入れる世界遺産は姫路城だけ。外国の人は30ドル払っていただいて、市民は5ドルぐらいにしたい」と発言。その後、「決まった数字ではない」と報道陣に説明していた。(東孝司)

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