JR門司港駅(奥)付近に広がる初代門司駅の遺構(手前)=2023年、北九州市(市提供)

 北九州市の初代門司駅遺構の保存を求め、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)が日本政府や同市、JR九州などに緊急要請「ヘリテージ・アラート」を出したことが4日、分かった。

 要請文はテレサ・パトリシオ会長名で「遺跡の価値は国際的な学会や組織によって広く認められている」と指摘。「世界にとって重要な文化遺産を、北九州市が軽視していることを深く遺憾に思い、失望している」とした。

 初代門司駅は1891年に開業、1914年まで使われた。複合公共施設の建設に向け、昨年9月から行われた調査で、機関車庫の基礎など遺構が見つかった。

 学識経験者や市民から世界遺産級の価値があるとして、保存を求める声が相次いだが、市は6月中旬、追加の発掘調査と記録保存を行った後に取り壊し、複合公共施設を建設すると決定していた。

 イコモスは、文化資産が危機に直面すると、ヘリテージ・アラートを発出し、関係者に解決を促している。

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