8月7日に開幕する第106回全国高校野球選手権大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催)の大会CMで、スリーピースロックバンド「WANIMA」が大会歌「栄冠は君に輝く」を歌った。WANIMAの3人に、高校野球や球児への思いを聞いた。

 (注釈がない場合の答えはKENTAさん)

 ――「栄冠は君に輝く」を歌うと聞いたとき、率直にどう思いましたか

 「どう『WANIMAサウンド』にしようかなとまずは考えました。あえてWANIMAっぽくバンドスタイルにしたのですが、夏になるとよく流れていて、なじみがある曲だったので文語体の歌詞もそれほど難しくはなかったです。バンドサウンドにしたことで、ちょっとでも耳を傾けてくれる人がいたらいいと思っています」

 ――歌詞の印象はどうでしたか

 「この歌についてこれまでしっかり歌詞をみたことはなかったので、改めて気づくこともありました。前向きで、かなり希望に満ちあふれている歌だなと感じました。一つの目的に向かって若い人たちが集う野球大会の歌なので、作曲、作詞された方もきっとそういうことをイメージして作られたのだな、と思いました」

 ――そのなかで特に好きな言葉はありましたか

 「『ああ、栄冠は君に輝く』とタイトルにもなっている言葉が最後にくるのですが、みんなが等しく勝ちを目指すなかでたった一つの優勝を目標にする大会に、この言葉がすごく合っていると思いました」

 ――高校時代は何に打ち込みましたか

 「バンド一色です。ほぼ毎日練習していました。小さい町で本当に何もなかったので、練習する場所も、ライブをする場所も自分たちで作ってお客さんを呼んでいました」

 「悔しいことばかりでした。文化祭でうまくいかず、小さな夏祭りで演奏しては失敗して。でもそのなかで身近にいる人たちに『今の良かねえ』と言ってもらうことで少しずつ自信をつけながら、一日一日試行錯誤していました」

 (FUJI)「強豪校でハンドボールをやりながら、練習がないときにはバンドをやってました。ハンドボールは生活と直結していて、授業が終わるとすぐに自転車で練習場に移動し夜までみっちり練習して、また翌朝から練習する。その繰り返しでした。野球も強い学校で、クラスには野球部員もたくさんいて同じように厳しい練習をして甲子園を目指す姿をずっと見てきました。なので、高校野球に関わる仕事ができることがすごくうれしかったです」

 (KO―SHIN)「KENTAと一緒に地元でバンドをやってました。周りのバンドがカバー曲中心にライブをやっているなか、僕たちは当時からオリジナル曲を作って演奏していたので、それが楽しかったです。またライブをやるために大きな街に出ていけることもおもしろかったですね」

 ――この夏、白球を懸命に追う高校球児にエールを送ってください

 「ライブに来てくれる若い人たちと話していて感じるのは迷っているとき、挫折したとき、失敗したときの感情は僕たちも、若い人たちも変わらない。特に負けを知った人たちに歌が届いたらいいなと思っています」

 (F)「『栄冠は君に輝く』はグラウンドに立っているメンバーだけではなく支えてくれる人たちにも栄冠は輝く、という歌だと思います。勝ち負け関係なく3年間やってきたことを出し切ってほしいです」

 (KO)「高校野球はあきらめない姿が本当にすばらしい。それは自分のためでもあり、見てくれている人たちのためでもあると思います。だからどんな場面でも絶対にあきらめず、最後まで可能性にかけてトライしてほしいです」(聞き手・岡田健)

 KENTA(ボーカル、ベース)、KO―SHIN(ギター、コーラス)、FUJI(ドラム、コーラス)のスリーピースロックバンド。熊本県出身。2010年に結成され、FUJIが12年に加入した。17年に「ともに」でNHK紅白歌合戦に初出場した。8月24、25の両日に主催フェス「WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2024」を熊本県農業公園カントリーパークで開催予定。

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