国連環境計画(UNEP)は24日、2023年の世界の温室効果ガス排出量は前年から1.3%増加して571億トンとなり、過去最多だったとする報告書を公表した。国際枠組み「パリ協定」は気温上昇を産業革命(18~19世紀)前から1.5度以内に抑えることを目指すが、各国が対策を強化しなければ世界の平均気温の上昇幅は今世紀中に最大3.1度になると指摘した。
報告書によると、世界の総排出量は1990年以降、増加傾向に歯止めがかかっていない。世界の平均気温は既に1.1度上昇しており、今夏(6~8月)の日本の平均気温は統計開始以降で最高だった昨年に並び、2年連続で最も暑い夏となった。
UNEPは「今すぐ対策を強化し、1.5度目標の実現に全力を尽くすべきだ」と強調した。国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)が11月にアゼルバイジャンで予定されており、各国が危機感を共有して対策強化を打ち出せるかどうかが焦点となる。
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