キボシノメイガの雄(左)とホソバソトグロキノメイガと呼ばれてきた雌(鳥取大提供)

 正体不明で学名のないガである「ホソバソトグロキノメイガ」が、100年以上前から知られている別種のガ「キボシノメイガ」の雌だと分かったと、鳥取大のグループが18日までに国際専門誌で発表した。雄と雌の特徴が異なる「性的二形」とみられる。夜に活動するガはパートナー選びに見た目の影響を受けないため、性的二形をとるガは珍しいという。

 ホソバソトグロキノメイガは本州から南西諸島まで幅広く分布し、1982年に和名がつけられたものの生態がよく分かっていなかった。グループの松井悠樹さん=現九州大=らはホソバソトグロキノメイガを捕獲し、産卵に成功。ところが羽化した成虫はキボシノメイガの見た目だった。

 一方でその後、ホソバソトグロキノメイガの見た目をした成虫も羽化した。2種のDNAを分析したところ完全に一致し、同種のガであることが判明。キボシノメイガの姿をしたものは全て雄、ホソバソトグロキノメイガは全て雌だった。

 キボシノメイガが性的二形をとる理由は分かっていない。

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