人口戦略会議のシンポジウムで配られた資料=24日午後、東京都千代田区

744自治体が消滅する可能性があるとした24日発表の「人口戦略会議」報告書では、近畿の93自治体が「消滅可能性がある」とされた。10年前の前回調査で、一部の区が「消滅可能性」に分類されていた大阪市と神戸市は、政令市の集計が区ごとから市全体に変更されたこともあり、いずれも脱却した。

大阪府内では新たに門真、泉南、阪南の3市と太子町が消滅可能性自治体になった一方、若年女性の減少幅の縮小が見込まれる寝屋川市は外れた。100年後も若年女性が多く残る「自立持続可能性自治体」とされたのは島本町のみだった。

大阪市で前回、大正区や西成区とともに消滅可能性があるとされた中央区の人口は、前回調査の10年前から約2万6千人増加。タワーマンションの建設が進んで子育て世帯も増え、今や「消滅可能性」とは正反対の状況だ。区の担当者は「もともと交通の利便性は良く、居住の需要も高まったのでは」としている。

神戸市も前回、須磨区だけが消滅可能性があるとされたが、今回は集計変更もあって脱却した。市の担当者は「神戸で住み続けたいと感じてもらえる持続可能な都市の実現に全力で取り組みたい」とコメントした。

一方、人口流入が多いのに出生率が低い「ブラックホール型自治体」には大阪市のほか、京都市も分類された。いずれも人口の自然減対策の必要性が高いとされた。

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