参院予算委員会で質問する日本維新の会の片山大介氏(右)。左は岸田文雄首相=24日午後、国会(春名中撮影)

24日の参院予算委員会では、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を受けた政治資金規正法改正など政治改革の自民案に対し、野党からは「小手先の案」「反省がない」などと批判が相次いだ。岸田文雄首相は野党が主張する改革テーマに関して「さまざまな課題についても議論を行う」などと受け流したが、信頼回復の実現は見通せない。

「火の玉って燃え尽きちゃったのかしら」

立憲民主党の蓮舫氏は参院予算委で、首相の政治改革に対する姿勢をこう皮肉った。首相は「燃え尽きてはいない。信頼回復に向けて先頭に立って取り組む」と反論した。

首相と蓮舫氏は、自民案のうち、いわゆる「連座制」を巡り火花を散らせた。首相は政治資金収支報告書の提出時に議員の「確認書」添付を義務付けることに触れ「責任の厳格化に強い問題意識を持ち、対策を講じたい」と述べた。

これに対し、蓮舫氏は議員への罰則適用は会計責任者が処罰された場合に限られる点を問題視。「『なんちゃって連座』はやめないか。(議員が)捕まるハードルが高い」と訴えた。

野党は政党から議員に寄付され、使途公開の必要がない政策活動費や企業団体献金の廃止を求めているが、自民案には盛り込まれなかった。自民幹部は「やらないということだ」と説明した。参院予算委で立民の杉尾秀哉氏は「小手先の案だ」、共産党の小池晃書記局長は「ひとかけらの反省もない」と批判した。

日本維新の会の片山大介氏は自民案に出版・機関紙事業の透明性の在り方や労働組合などの政治活動、政治資金の透明性の在り方が盛り込まれたことを挙げ、「機関紙とは(共産党機関紙の)赤旗のことをいっているのか。労働組合と立憲民主党のことをいっているのか」と指摘した。「高い球」を投げようとする野党を牽制する狙いがあるとの見方だ。

首相は自民案を巡り「まずやるべきだということを明記した。さまざまな課題についても議論を行うことを明らかにした」などと繰り返し、野党の要求に対し言質を与えなかった。(沢田大典)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。