28日投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡っては、落選した政治団体「つばさの党」の根本良輔幹事長の行為が問題視された。他候補の遊説場所に押しかけ、政策やスキャンダルの〝質問〟を繰り返し、答えない場合は大声で罵倒するためだ。根本氏は産経新聞の取材に「どこで街宣しても合法だ」と行為を正当化し、「われわれの質問に答えられない人に資格はない」と持論を語っていた。主なやり取りは以下の通り
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《選挙戦最終日の27日午後。都内の駅前には数十人の支援者らが根本氏の登場を待っていた。「小池はうそつきでヘイヘイヘイ」─小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑について大音量ではやし立てる選挙カーが現れ、タスキをかけた根本氏が降りてきた。演説を終えた根本氏に「選挙妨害」の理由などを尋ねた》
──選挙戦の手応えは
「当選するかしないかに関しては絶対しないと思う。ただ、みんなに政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できたかと思う」
──東京都知事選出馬も表明した
「当選しないと思うが、問題提起という意味で、やる意味はある」
──動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿した収入が選挙資金になるのか
「すずめの涙だ。大したことない。広告収入では(供託金の)300万円もまかなえない」
質問に答えれば去る
──選挙では各候補の政策の矛盾やスキャンダルが洗い出されていないという問題意識があるのか
「そうだ」
──聴衆の聞く権利を邪魔している
「それはそうだが、言ってしまえば合法だ。(街頭演説用)標旗を持っている以上、どこでも街宣してもいいわけだ」
「われわれも『質問に答えれば立ち去る』と最初から言っている。国民民主党の玉木雄一郎代表は答えたので、われわれはその場から離れた。答えないのはおかしい。国民1人の質問に答えられない人が聴衆に向かって『1票をお願いします』という資格はない」
──今の政治はどう映っているのか
「不信感の塊だ。世論調査で半数以上がどこに投票していいか分からない状況だ。自民党が一番支持を受けているが、ほとんどは組織票だ。(連立政権を組む公明党の支持母体である)創価学会などが入れる。だから政治家に期待していない。1票を入れてもどうしようもないから選挙に行かないし、みんなあきらめている」
評価する政治家は原口一博氏
──評価する政治家を挙げると
「立憲民主党の原口一博元総務相。割とわれわれに近い。政策としてはいいと思う。無所属だったら完璧だ。結局、立民にいるので、彼を応援しても立民に1票入ることになる。それは害悪だと思う。立民が議席を伸ばしても、いいことはない」
──なぜ害悪なのか
「そもそも民主党政権でなにをしたか。高速道路を無料にしますといって、していない。児童手当を手厚くするといって、していない。年金改革をするといって、やっていない。うそつきではないか。何もできなかった悪夢の民主党政権といわれている。政治不信をさらに進めたのが民主党だ。与党も野党も話にならない」
──では自民党が政権交代しないために必要なことは
「第一は宗教法人と手を切ること。丸裸で組織票なしで勝負すべきだ。宗教票がないと勝てないだろうが。それで陥落したら陥落したでいいだろう。経団連も自民党に政治献金している。経団連は消費税を上げたいし、法人税は下げたい。金持ちと宗教法人と手を切るべきだ」
罰金刑くらい
──岸田文雄首相に対しては
「自民党の総裁なんて誰がやっても一緒。岸田さんは悪く見えているが、菅義偉前首相も安倍晋三元首相も一緒。同じ流れに乗っているだけ」
──街宣行為で「ヘイヘイヘイ」とあおるような必要はあるのか
「エンタメ性を持たせる意味でやっている。つかみはいい。それが大事だ。小学生や中学生を味方につけると票が伸びるというデータがある。キャッチーな歌などを流せば、小学生が選挙終盤位に、『ヘイヘイヘイの人だ』みたいにお母さんに披露して、お母さんの心が揺さぶられるみたいなのがけっこうある」
──選挙後に逮捕される恐れはないのか
「罰金刑くらいではないか」
《選挙期間中に他の候補を執拗(しつよう)に追い掛け回した根本氏だが、取材には丁寧に応じていた。ただ、通行人の高齢女性が根本氏陣営に対して『うるさい』というと、根本氏は女性に対しちゃかすような仕草をした後、選挙カーに乗り込んだ。陣営は女性を罵倒する表現を大音量で繰り返し、その場を去った》(奥原慎平)
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