「地方創生」で「SNS」は最強のPRツール
『日本一わかりやすい地方創生の教科書 全く新しい45の新手法&新常識』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)「地方創生」で自治体がインバウンドや観光客、移住者を取り込むための最強のPRツールは「SNS」であるということは、誰もが理解していることと思います。
コスト的にも安価で、誰でも利用でき、それでいて「バズる=話題になってヒット数が爆発的に増える」と、あっという間にその自治体のファンを獲得することができます。
「SNSでバズる」ために、どんなことをPRするのが効果的か、いろいろと試行錯誤をすると思いますが、そのきっかけというのが地元民ではわかりにくい「意外なところ」にもあったりするのです。
たとえば、山梨県富士吉田市です。
ここはインバウンドが好む観光スポットのひとつであり、春になるとインスタグラムやYouTubeで「新倉山浅間公園・忠霊塔」がいっせいにアップされます。
「満開の桜の中で、朱塗りの五重の塔の向こうに富士山がその雄姿をみせる」
このようなアングルは、いかにも外国人好みです。
外国人には「富士山」「五重の塔」「桜」は垂涎のアイコン
春になるとインスタグラムやYouTubeでいっせいにアップされる「新倉山浅間公園・忠霊塔」。「満開の桜の中で、朱塗りの五重の塔の向こうに富士山がその雄姿をみせる」アングルは、いかにも外国人好み(写真:Yoshitaka/PIXTA)日本人の視点で見ると、この五重の塔は京都や奈良にあるような歴史のある塔ではなく、朱色も鮮やかすぎて、やや軽い印象も受けます。「なんだか物足りない」と思う人も少なくないと思います。
しかし、外国人観光客にとっては「富士山」「五重の塔」そして「桜」はまさに「垂涎のアイコン」です。
多くの外国人観光客がSNSで画像や動画をアップすることで、さらにインバウンドを呼び、いまでは富士山観光には欠かせないスポットになっています。
このように、SNSはこれからのインバウンドには重要な戦略ですが、「SNS戦略」を立てるときには「基本になる2つのポイント」があります。
【1】地元の魅力を「よそ者視点」で掘り起こす「富士山」「五重の塔」「桜」というようなコンテンツは、地元の人にとっては以前から「当たり前のもの」だったはずです。
あるいは長野県の渋温泉の「猿が入浴する温泉」のように、各地では当然の自然現象もあります。
「温泉に入る猿」は、アメリカの写真雑誌『ライフ』で有名になったそうですが、そもそも北米やヨーロッパには猿がいないので、
まさに「よそ者視点」の好例といえます。
こういう「地元ならではの景色や風景や文化」は、地元民には当たり前すぎて、そこを海外に向けてPRしようという発想には、なかなかつながりにくいものです。
「当たり前のもの」を「魅力あるもの」に変えるには、「よそ者の視点」が必要です。
いままで当たり前に見てきたものに「よそ者の視点を取り入れる」。当たり前に見ていた故郷を「よそ者の視点で見直してみる」。
そういう発想の転換をしてみることが必要でしょう。
【2】自治体からの発信だけでなく「周囲を巻き込む」SNSの利点は、「ハッシュタグ」「リポスト」といった機能を駆使すると、同じテーマで他者が発信した多くの情報も巻き込めるという点です。
自治体のPRだからといって、「自治体が発信するSNS」だけでは広がりがありません。
自治体内の店舗や飲食店、あるいは故郷をアピールしようとする個人のSNSを巻き込んで、大きなウェーブをつくることが必要です。
先ほど紹介した富士吉田市も、多くの外国人観光客がSNSにアップしたことで、あらたな観光客がどんどん増えていったのです。
自治体だけにとどまらず、「他者の情報」を巻き込みながら「自治体全体のムーブメント」をつくることが大切です。
これからの「地方創生」にはSNSの活用は必須
このインバウンド需要は、ますます増加の一途をたどると考えられます。
これからの地方創生は、自分たちの地方の情報を海外にも発信し、それにひかれてやってくる外国人たちを「地域活性化」につなげていくことです。
それは観光業の隆盛だけにとどまらず、「新しい産業の創出」になったり、「既成の産業をさらに盛んにすること」につながったりもすると思います。
みなさんも「SNS」をうまく活用して「地方創生」の可能性を広げていってください。
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