「さぁ行くんだ その顔を上げて~」

 すべての参加校が演奏を終え、審査のための休憩に入ると客席から「銀河鉄道999」の歌声が響き始めた。自然に手拍子が湧く。

 合唱コンクールの伝統芸が帰ってきた。

  • 【結果】北海道合唱コンクール高校部門 帯広三条・札幌旭丘が全国大会へ

 14日に北海道旭川市であった北海道合唱コンクール高校部門で「あこがれ」をかなえたのは札幌北高校の高橋悠太さん(3年)だ。

 「歌回し」と呼ばれ、全国の大会で学生が楽しみにしているパフォーマンス。だが、この2年間はコロナの影響もあり、なかったという。

 高橋さんは、YouTubeで過去の映像を何度も見てきた。同世代で歌がつながっていく「歌回し」。一度やってみたかった。

 もともと声が大きい方ではない。それでも、高橋さんは、校内の部員に呼びかけ、みんなでやってみようと立ち上がった。

 結果発表を待つ緊張の時間。場内からは「○○歌いませんか?」などと次々に各校が名乗りを上げ、50分間にわたって歌声のリレーが続いた。

 高橋さんは「歌回しを通じて知り合いがたくさんできた。合唱ってやっぱりすごく楽しい」。目を輝かせ、歌の輪の中へ戻っていった。(鈴木優香)

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