文部科学省は、公立学校教員に時間外勤務手当(残業代)を支給しない代わりに、一律に上乗せ支給している「教職調整額」について、現在の「基本給の4%」から「13%」とする方針を固めた。来年度予算案の概算要求に盛り込む。同省への取材で分かった。
長時間労働問題を背景に教員のなり手が減るなか、処遇を改善して質の高い教員を確保するのが狙い。文科相の諮問機関、中央教育審議会の特別部会が5月、教職調整額を10%以上とする提言を出していた。増額には教員給与特措法(給特法)の改正が必要で、文科省は来年の通常国会に法案を提出したい考え。
増額で、調整額の国の予算分は単純計算で1500億円近く(期末手当含む)となるとみられ、来年度予算案が固まる年末にかけ曲折も予想される。
教員の給与をめぐっては、他の公務員より給与を優遇することで人材を確保する「教育職員人材確保法」がある。最大で約7%あった優遇が、他の公務員の処遇改善により、差がなくなっていた。文科省は教職調整額の増額で、この優遇幅を戻したい考えだ。(山本知佳)
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