公立小中高での教員不足の状況を文部科学省が各地の教育委員会にたずねたところ、今年4月時点の状況が昨年同期と比べて「改善した」と回答したのは16%にとどまったことがわかった。

 教員人事権がある47都道府県教委と20政令指定市教委、大阪府から教員人事権を移譲された豊能地区教職員人事協議会の計68機関に、23年度と24年度の4月の状況を質問した。「改善した」と答えた機関は11(前年度11)、「同程度」は35(同28)、「悪化した」は22(同29)だった。

 昨年度から始まった地方公務員の定年引き上げによる影響についても聞いたところ、想定以上の退職者が出て、教員不足に影響したと回答した教委が多かったという。

 文科省は9日に教員確保に関しての通知を出し、対象者の退職意向の確認の仕方や時期の見直しをするよう求めた。さらに、「改善した」と回答した機関で取り組んでいた教員確保策を紹介。免許はあっても学校現場にいない「ペーパー教員」の復帰を助ける研修や、正規教員の新規採用増などを例示した。(山本知佳)

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