東京都教育委員会は29日、来春採用の公立学校の教員採用試験の応募倍率が2・6倍だったと発表した。応募者数は前年度よりも1割程度増えたが、採用見込み者数を増やしているため、過去10年で最も低かった。

 都教委によると、応募者数は1万414人(前年度比949人増)で3年ぶりに1万人を超えた。ただ、小学校での「35人学級」の導入などで採用見込み者数を増やしており、前年度より525人多い4005人を予定する。

 特に小学校では応募者数が2895人で前年度より292人増加したが、採用見込み者数も前年度より300人増えたため、倍率は0・1ポイント減の1・7倍になった。

 都教委は昨年度から、「教職教養」など、一部の選考試験について、大学3年生で受験できる「前倒し選考」を開始。昨年度前倒し選考を通過した1829人のうち、約8割にあたる1468人が、論文や面接、実技といった残りの試験に応募している。

 都教委の担当者は、「応募者が増えたのは選考制度の見直しなど取り組みが少しずつ身を結んだ結果だが、働きやすい職場づくりのための取り組みも引き続き強化していく」としている。

 試験は7~8月に実施する。最終合格発表は9月30日の予定。(本多由佳)

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