川崎市多摩区の路上で、登校中の私立カリタス小学校の児童や保護者2人が殺害され18人が重軽傷を負った事件から5年となった28日、同小で追悼ミサが開かれた。

 事件では同小6年の栗林華子さん(当時11)と、別の児童の保護者で外務省職員の小山(おやま)智史さん(同39)が亡くなった。小野拓士校長はミサの後、報道陣に「私たちにとって節目はない。どうして事件が起きてしまったのか、悔しさ、悲しさは変わらない」と語った。

 事件現場近くでは、犠牲者を悼む人の姿があった。近所の会社員、岩崎由紀子さん(53)は花を手向け、「絶対忘れることができない事件。亡くなられたお二人にゆっくり休んでくださいと祈った」。多摩区に住む教員、石黒重信さん(58)は静かに手を合わせ、「地域、保護者と子どもたちを守っていく」と決意を新たにしていた。

 事件後、多摩区や多摩署は毎月28日を「多摩区子ども見守りの日」に定めた。川崎市教育委員会は元警察官らによる「スクールガード・リーダー」を増やし、見守りやパトロールを強化した。(手代木慶、稲葉有紗)

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