昨夏の石川県吹奏楽コンクールの職場・一般部門でデビューした楽団。その名も「石川県で2023年コンクールデビューしたい吹奏楽団」。目標を達成した楽団の今後の活動は――その答えを示すべく、29日に「最初で最後の」コンサートを金沢歌劇座で開く。

 楽団は22年9月、篠田楽器を営む篠田公平さん(39)を団長に9人で結成。「大人の青春」をテーマに本気で音楽に取り組み、現在は大学生から50代まで65人の大所帯へと成長した。曲のレパートリーも2曲から11曲へと増えた。

 昨年の団体登録時は、そのネーミングから「ふざけているのか」と反感もあったという。だが、コンクールに出場後はそんな批判はなくなった。

 篠田さんが仕事の関係で学校を回ると、「今年は何やるん」と聞かれるようになった。「コンクールでの真剣さが伝わった」と篠田さんは感じた。

 楽団メンバーの高校教諭、小林明歩さん(27)は「1年前と今の楽しさは違う。いい疲れがある。高校時代のように、挑戦して『できん』感覚も懐かしい」と話す。

 コンサートでは「ドラゴンの年」や「エルサレム讃歌」など、中高生も取り組む吹奏楽ならではの難曲を演奏する。今後の楽団の方向性についても発表する予定だ。

 コンサートは午後1時半開場、2時開演。チケットは一般1千円、小学生以下無料で篠田楽器などで販売。会場で能登半島地震の義援金も受け付ける。朝日新聞金沢総局後援。詳しくは同楽団ホームページ(https://kanazawabrass.com/)。(波絵理子)

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