大阪で活動する若手芸人の拠点劇場「よしもと漫才劇場」(大阪市中央区)が1日、10周年を迎えた。「マンゲキ」の愛称で親しまれ、若い女性を中心に多くの客が連日、足を運ぶ。若手のサポートや漫才の振興に取り組む「上方漫才協会」も同じく10周年。これを記念して、芸人らがネタを披露した。

 よしもと漫才劇場は、2014年12月1日にオープンした。かつてあった心斎橋筋2丁目劇場、baseよしもと、5upよしもとから続く、若手芸人のための常設劇場だ。漫才やコントなどのネタのほか、単独ライブや企画ライブなどが年中無休で開かれている。

 マンゲキには現在、約100組の芸人が所属し、芸歴9年目以上の「極(きわみ)」と8年目以下の「翔(かける)」に分かれて芸を磨いている。「翔」には、メンバー入りをめざす芸人とネタの出来栄えを競う入れ替えシステムもある。

 各テレビ局が毎年開く賞レースでは、毎回のように決勝進出者が輩出。今月5日にあったM―1の準決勝にもマンゲキに所属する6組が出場し、バッテリィズとジョックロックが決勝に勝ち上がった。バッテリィズのエース(30)は「めっちゃうれしかった。劇場で漫才を続けてきて良かった」と話す。

 マンゲキで開かれた1日の記者会見で、吉本興業の奥谷達夫副社長は「一つの空間で同じ笑いを共有するという日本の良い文化を、これからも大切にしていきたい」。上方漫才協会の中田カウス会長(75)は「マンゲキの強みは、なんばグランド花月の真向かいにあるという立地と、お笑いが大好きなお客様に支えられているところ。漫才を命と思って、この劇場を巣立っていってほしい」と若手芸人にエールを送った。

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