「戦争に関する資料館閉館のニュースが続き、すごく心配。どうにか力になりたい」と話すちばてつやさん

 漫画家のちばてつやさん(85)は、旧満州からの凄絶な引き揚げを鮮明に覚えている。「戦争をすれば、みんなが被害者になる。それでもしてしまうなんて、人間って情けないよね」。今もやまぬ戦火に、その悲惨さを伝えなくてはとの思いを強くし、体験を本にした。

 1939年東京生まれ。41年に旧満州の奉天に渡り、父親が勤めていた印刷工場の社宅で暮らした。終戦後の逃避行を「食べる物がなく、次々に死んでいく。昨日『てつや頑張れ』と言ってくれたおじさんが亡くなり、その足を持って死体置き場まで引きずっていったこともある」と語る。

 ちばさんは今夏、エッセイストの海老名香葉子さん(90)の求めに応じ、共著で「大大陸に陽は落ちて」(鳳書院)を刊行。

 ウクライナや中東の戦禍に、自身が知る「地獄」を伝えなくてはと改めて思ったと、ちばさん。「逃げ回る人々をニュースで見ると、引き揚げを思い出す。自分の力で抜け出ることができないのが戦争。しないためにどうしたらいいか、新たな『戦前』が来る前に、一人一人に考えてほしい」

「大大陸に陽は落ちて」

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