俳人正岡子規(1867~1902年)の新出句が見つかったと、東京の子規庵保存会が20日、発表した。病床から体を起こして新年をことほぐという内容。元の句に線を引くなどして手直しした跡が見られ、神奈川大名誉教授の復本一郎さんは「明確に推敲の跡がうかがえる資料は初めてで、非常に貴重だ」と話している。
発表によると、句は1899年の元日に、子規方を訪ねた人々が名前や句を記した冊子「歳旦帳」に筆で書かれた。当初は「病牀をすへりおりたる御慶哉」としたが「をすへりおりたる」に二重線を引き、「の側の」と書き込み、「病牀」の前には「はひおりて」を挿入。「はひおりて病牀の側の御慶哉」と変わっている。
当時子規は下半身が不自由だったが、弟子たちが訪れると手を使って体を起こし、対面したとみられる。復本さんは「実態に即した作品にしようと思ったのではないか」と推測している。
新出句は9月に東京・根岸の子規庵で公開される。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。