3姉妹による歌と演奏を交えた音曲漫才トリオ「かしまし娘」の次女で、俳優の正司照枝(しょうじ・てるえ、本名正司照江)さんが8日、大阪府内の自宅で急性心臓死で亡くなった。91歳だった。所属事務所のSHUプロモーションが10日、発表した。葬儀は家族で営む。

 北海道生まれ。両親が旅役者だった影響で、幼いころから姉の歌江さん(今年1月に死去)とコンビを組み、舞台で漫才を披露。「天才少女姉妹漫才コンビ」とよばれた。1956年から歌江さん、妹の花江さんと「かしまし娘」として活動を始めた。

 姉は三味線を、照枝さんは妹と一緒にギターを担当。大阪・道頓堀を拠点に、歌謡曲や浪曲などを取り入れた音曲漫才で一躍人気になった。「うちら陽気なかしまし娘」のテーマソングは多くの人に親しまれ、66年に第1回上方漫才大賞を受賞した。

 漫才トリオの活動をやめた後は、俳優としても活躍。NHK連続テレビ小説「だんだん」や「カーネーション」、TBSのドラマ「陸王」などに出演した。2018年にはかしまし娘として「上方演芸の殿堂入り」を果たした。

 花江さんは事務所を通じて、亡くなった当日もいつもと変わらない様子だったことを明かし、「子供の頃からずっと一緒に過ごした姉の死をまだ受け止めることができません。今もまだ隣にいるような気がします」とコメントを出した。

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