藤井聡太七冠

 将棋の全八冠を持つ藤井聡太叡王(21)=竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=は20日、甲府市で指された第9期叡王戦5番勝負の第5局で、挑戦者の伊藤匠七段(21)に敗れ、2勝3敗で叡王を失冠した。藤井七冠はタイトル戦で初の敗北。昨年10月に初の8タイトル制覇後、8カ月と10日で全冠独占が崩れた。伊藤新叡王は初のタイトル奪取となった。

 藤井七冠はこれまで、出場したタイトル戦の5番勝負、7番勝負を全て制していたが、今回の叡王失冠により、自身が持つ最多の連続獲得記録は22期でストップ。若き王者として八冠独占をしばらく続ける勢いだったが、全冠達成後五つ目の防衛戦で連覇が途切れることになった。

 藤井七冠が八冠に復帰するには保持する7タイトルの防衛を続けながら、来年の叡王戦5番勝負に出場して勝利しなければならない。

 伊藤新叡王は東京都出身で、宮田利男八段門下。藤井七冠と同学年で、2020年にプロ入り後、3度目のタイトル挑戦で栄冠を手にした。序盤戦術に優れ、的確な終盤の力に定評がある。

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