大阪府岸和田市は、岸和田城天守閣の耐震化や、バリアフリー化に乗り出す。再建75周年にあたる2029年に着工、30年のリニューアルオープンを目指しており、一部の費用について、ふるさと納税型のクラウドファンディング(CF)で集めている。

 天守閣は鉄筋コンクリート造りの3層構造で、高さ約22メートル。元々は豊臣秀吉の重臣の小出秀政によって1597年に築かれたとされ、1827年に落雷で焼失した。戦後の1954年、当初は図書館として再建された。

 市が2019年に耐震診断をしたところ、震度6強以上で倒壊や崩落の危険が高いとの結果が出たため、今年1月に耐震対策基本計画を策定した。

 計画では、建物内部に耐震壁を追加して強度を高める。またスロープやエレベーターを設置し、バリアフリー化を図る。工事費は概算で約2億8千万円で、国庫補助金などを見込んでいる。

 CFで集めているのは、耐震補強後の天守閣の内部改修費。岸和田城などの歴史や文化を映像やパネルで展示する予定で、費用は1億数千万円を見込む。

 今回のCFはふるさと納税型のため、寄付額の2千円を超える分は税控除を受けられる。返礼品はないが、1万円以上の寄付で限定御城印帳が、10万円以上で城主証が記念品として贈られる。市観光課の担当者は「新しい岸和田城を未来に残していきたい」と話している。

 ふるさと納税サイト「さとふる」の「岸和田城天守閣リニューアルプロジェクト」(https://www.satofull.jp/projects/business_detail.php?crowdfunding_id=380)や市役所窓口で、9月20日まで受け付けている。目標は1千万円。(田中章博)

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