小学館は3日、昨年10~12月に日本テレビで放送されたドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが今年1月に急死した問題で、社内の特別調査委員会がまとめた報告書を公表した。報告書は、原作の尊重を求める芦原さんの意向を日テレが脚本家に適切に伝えなかった可能性があり、脚本の修正などを巡る「不誠実な対応」もあったと指摘。最終的にドラマは芦原さんの意向にかなう内容になったとしながら、「脚本作成過程の尋常ではない心労が(芦原さんの行動に)影響しなかったとは断定できない」とした。

芦原さんは、小学館の担当者を通じた日テレ側とのやりとりの中で脚本家への不信を強め、最後の2話は自ら脚本を執筆した。脚本家は放送終了後にその経緯への「困惑」をSNSに投稿。これに芦原さんが反論したブログが反響を呼び、その後、芦原さんは亡くなった。

報告書は、SNS上の炎上を避けるため、小学館として「(芦原さんに)協力を申し出る方法もあった」と指摘。SNS対応の専門部署を設置するなど、危機管理体制を整備するよう求めた。

また、テレビドラマ化に関わる担当者が複数いる中で、今後はテレビ局に対応する窓口を一本化することや、契約締結を放送決定時には済ませることなども提言した。

日テレは小学館の報告書を受けてコメントを発表。「漫画や小説を映像化する際、原作者をはじめ関係する全ての方々と、より一層丁寧に相談しながらドラマ制作に努めていく」としている。

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