藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=に豊島将之九段(34)が挑戦している第82期将棋名人戦七番勝負第5局(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、北海道紋別市など地元主催)は27日、同市の「ホテルオホーツクパレス」で再開し、2日目に入った。検討陣の予想通り藤井名人が攻めを開始した。豊島挑戦者は慎重に対応する構えだ。
- 【タイムライン】豊島九段、1時間半の大長考 立会人「激しくなる可能性」
ここまで藤井名人3勝、豊島挑戦者1勝。
近年は居飛車を指すことが多い豊島挑戦者だが、昨年度は数局、振り飛車も選択。開幕前も七番勝負での戦型について「いろいろ指していくのが自然な感じ」と話し、ついに本局で振り飛車が登場した。一方の藤井名人は金銀4枚を密集させた居飛車穴熊の堅陣。居飛車対振り飛車の「対抗型」を愛するファンも多く、注目の将棋となった。持ち時間各9時間のうち、1日目の消費時間は藤井名人3時間57分、豊島挑戦者4時間11分。
紋別市の対局場周辺は1日目は快晴に恵まれたが、2日目朝は雨。
午前8時59分、立会人の屋敷伸之九段(52)が封じ手を開封。藤井名人が封じていた47手目は▲2四歩だった。副立会人兼解説者の野月浩貴八段(50)も本命視していた、戦端を開く手だ。当然の応手△同歩(48手目)に、金取りに突き出した49手目▲5五歩(途中図)が戦いをさらに激しくする手。検討陣は以下、△同金▲2四角△2二飛▲3三角成△2八飛成▲1一馬という激しい順を検討。ここで豊島挑戦者は長考に入った。野月八段は「決戦を前に、しっかりと読み直しているのだと思います」と話した。(佐藤圭司)
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