探査機Heraのイメージ(ESA提供)

 欧州宇宙機関(ESA)は7日夜、地球に衝突しそうな天体の軌道をずらして地球を守る「惑星防衛」の技術実証で、探査機Hera(ヘラ)を米国から打ち上げた。日本が開発した赤外線カメラを搭載。米NASAが史上初めて探査機を衝突させて軌道を変えた小惑星を観測し、効果を確認する。

 行き先は小惑星ディモルフォスとディディモスで、2026年12月ごろに到着予定。一方が他方の周りを公転する二重小惑星の探査は初で、ディモルフォスは探査対象の天体では史上最も小さい。

 NASAは22年、地球から約1100万キロ離れた直径約160mのディモルフォスに探査機DART(ダート)を突入させた。直径約760mの小惑星ディディモスの周りを約12時間で1周していたが、衝突後は周期が約32分短くなっていた。今回の探査で質量や組成を明らかにして衝突の影響を調べ、天体の軌道修正技術に生かす。

 ヘラは本体が1.6mの立方体型で太陽光パネルを開いた幅は11.5m。搭載するカメラは、日本の探査機「はやぶさ2」に使ったカメラの後継機。

探査機Heraに搭載する赤外線カメラ(JAXA提供)

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