福島県浪江町の請戸漁港に停泊する漁船。奥は東京電力福島第1原発の排気筒=24日午前

 東京電力福島第1原発の処理水海洋放出が始まってから24日で1年となった。周辺海域のモニタリング(監視)で海水などに異常は確認されていない。中国は「核汚染水」と呼んで反発し、日本産水産物の全面的な輸入停止措置を継続している。日本政府は即時撤廃を求めるが応じる見通しは立っておらず、水産業は厳しい状況が続く。岸田文雄首相は24日、放出の影響を聞き取るため、福島県いわき市の小名浜魚市場を視察した。

 東電はこれまで6万トン超の処理水を放出した。2023年度は3万1145トンを放出し、24年度は5万4600トンを計画している。放出は51年までに完了する計画だ。

 政府は中国の輸入停止措置に関し、協議での解決を目指す。中国への輸出が多かったホタテを扱う業者を中心に水産業への影響は続いている。

 首相は小名浜魚市場で、水産物への放射性物質検査の状況を確認し、地元の漁業協同組合関係者と風評被害などについて意見交換。水産物の安全性をアピールする狙いがある。

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