文部科学省は14日、10兆円規模の大学ファンドを通じて支援する「国際卓越研究大学」の第1号に東北大(宮城)を正式認定する手続きに入ると発表した。有識者会議が条件付きで候補に選定していたが、条件を達成したと判断。文科相が今秋以降に正式認定し、助成を開始する。

国際卓越大制度は、政府が拠出する大学ファンドの運用益で、世界最高水準の研究力を目指す対象校を支援する。最長25年間助成を受けることができ、東北大は初年度に100億円程度を受ける見通し。

同省の有識者会議は昨年8月、初回公募に申請した国立8校、私立2校から東北大を候補として選出。同大が掲げる若手研究者の挑戦を推進する体制への移行案を高く評価する一方、民間からの研究資金受け入れを10倍以上に拡大する目標について、「従来の延長線上では達成困難で見直しが必要だ」とした。

東北大は計画を再考。企業を呼び込むための大学債を活用した研究拠点の整備や国際的な産業動向の分析を通し、「10倍以上」を達成するとした。世界トップクラスの研究者や学生を獲得するため、日英公用語化100%なども挙げた。

有識者会議は今年2月と5月に同大から聴取した上で、「データに基づく経営変革は先進的で高く評価する。計画の具体化が図られ、認定水準を満たしている」と結論を示した。

同大は、10月の改正国立大学法人法施行に合わせ、合議制の運営方針会議を設置するなど体制を整える。それを受け文科相が正式認定を判断し、年度内に助成が開始される見通し。

同省は国際卓越大の対象を「数校」としており、年度内に2回目の公募を行う。

東北大の冨永悌二学長の話 日本をけん引する研究大学として、最終的な認定に向け一丸となって取り組んでいく。

東北大=仙台市青葉区

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