衆院東京15区補選は9氏が立つ乱戦となった=東京都江東区(原田成樹撮影)

衆院東京15区補選(28日投開票)に立候補している元職・新人の9氏に、「少子化」について聞いた。

質問「少子高齢化が進んでいてわが国のさまざまな面に影響が出てきています。子育て支援・教育費負担の軽減など、生み育てやすい環境づくりが進められていますが、新たな「具体策」の提案や、この問題に対する持論を聞かせてください」

■福永活也氏 43 諸 新

子供一人につき、例えば1千万円支給といった圧倒的な目先のインセンティブはどうだろうか。また家族の在り方の多様性を支える制度が追い付いていない。子育ては20年単位の長期プロジェクトの側面があるが、現在の日本の法制度は夫婦の法律婚を前提として子育てをする形態に実際絞られているものの夫婦関係は短期的に流動しやすい。パートナーシップ制度の創設や、共同親権含めた多様な親子関係を営める制度の創設はどうだろうか。

■乙武洋匡氏 48 無 新

子どもを大切に育む「こどもまんなか」政策を進める。子どもの遊び・居場所・教育などについて、子どもの声を聞き、政策に反映させる仕組みを作る。大学までの教育無償化、高校までの医療費無償化、あらゆる子育て支援策から所得制限を撤廃、小1の壁となる学童クラブの待機児童を減らすとともに質を向上させるなど、子育てを全力サポートしていく。不妊治療や卵子凍結の公費負担を創設・拡大し、ライフプランに選択肢を増やす。

■吉川里奈氏 36 参 新

少子化対策として、0歳から15歳の子供1人あたり月10万円分の教育子育てクーポンの提供を提案します。クーポンは学費、食費、医療費に限定使用可能で、貯蓄に回さぬよう有効期限を設けます。この規模の対策を行わなければ、「異次元」とは言えません。ハンガリーではGDPの5%を少子化対策に充てており、顕著な成果を得ていますが、日本は0・4%しか投じておらず、国の最重要課題に対する取り組みとして明らかに不十分です。

■秋元司氏 52 無 元

少子化対策は、金銭的支援が必要であるが、近年の未婚率の上昇は金銭面だけが原因ではない。少子化面だけを見れば、婚外子に対する支援も含める、また、結婚をして家族を持つ大切さを小中学校教育の中に取り込み伝えていくなどの長期的な対策が必要である。

■金沢結衣氏 33 維 新

①妊娠・出産、幼児教育~高等教育まで、教育の全過程を無償化し、子ども・子育てで負債を背負わない仕組みを作ることで、若い世代が希望を持てる社会を作る。②男性育児等、新しい価値観を定着させ女性が妊娠~子育てでキャリアを諦める必要のない社会を目指す。③若者世代の可処分所得の増加、特に大きな負担であり、制度的にも先行き不透明な医療・介護保険の改革で若者世代の負担を減らすとともに、持続可能な社会を目指す。

■根本良輔氏 29 諸 新

現役の子育て世代は重い税金や社会保険の支払いで経済的に苦しい思いをしているため、減税や社会保険料を減らすというやり方でその負担を下げるべき。財源としては、金融資産課税。日本の個人の金融資産は2000兆円もある。ここに毎年1%でも課税すれば20兆円の財源が得られ、消費税を0にできる。これだけでも現役子育て世代には相当な経済的な援助になる。

■酒井菜摘氏 37 立 新

社会全体で子どもの育ちを応援し、少子化対策を最優先で進めます。①児童手当の拡充(所得制限をなしで高校卒業まで1万5000円を給付)、②教育の無償化(幼保~高等教育までと公立小中学校の給食無償化)、③保育士の配置基準を手厚くし、給特法を見直す(教員の給与増など)、④賃上げの加速と本人が望まない非正規雇用をなくす、⑤若年カップルや子育て世代も利用できる家賃補助制度の創設などを実現していきます。

■飯山陽氏 48 諸 新

少子化対策は、子育て支援だけでは解消されません。現在のように非正規雇用が多く、30年もの間、サラリーマンの給与が上がらない現状では少子化は進む一方です。急がば回れ、ではありませんが、産業政策を転換し、雇用の安定、実質賃金の上昇を目指す策を提案します。たとえば、製造業の国内回帰を積極的に支援する助成制度などがその一つです。加えて、思い切った出産ボーナスも有効と考えます(日本国籍者限定)。

■須藤元気氏 46 無 新

少子化はそれ以前の「非婚化」の問題である。若年層が結婚に二の足を踏むようになったのは雇用の非正規化が進んだことにその一因がある。非正規の賃金は平均して3割から4割程度正規雇用者よりも低い。非正規雇用の男女が結婚しても、世帯年収が500万円程度であるため、子供をもうける以前に結婚に躊躇(ちゅうちょ)する傾向となった。それを解決するには、非正規雇用と正規雇用の間の賃金格差の是正を政府が本腰を入れて行うべきである。

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