災害発生時の活用が期待されるドローン(和歌山県提供)

和歌山県内市町村の災害時の対応力向上を目指し、同県は「ドローンを活用した災害対応ガイドライン」を策定した。今年1月に発生した能登半島地震では道路の寸断によって孤立集落が発生し、物資輸送や被害把握が遅れたこともあり、県はドローンなどによる「空路」の活用を進める方針。岸本周平知事は「ガイドラインに沿って、ドローンの防災への活用をお願いしたい」と話している。

県によると、令和5年10月の段階で、県内30自治体(市町村)のうちドローンを導入しているのは16自治体。ほかに6自治体が民間企業と連携して活用を進めており、未導入は8自治体という。導入されたドローンは広報用の映像撮影や建物の点検・測量での利用が多く、災害時には被災現場の把握や行方不明者の捜索に活用されている。

ガイドラインでは、ドローン活用への検討方法として、各市町村が防災上の問題点を抽出して課題を設定し、実行計画を策定することを推奨。活用事例として情報収集や上空からの避難誘導の呼びかけ、物資輸送などを紹介し、実証実験を行うことを勧めている。ドローン運用の航空安全や情報セキュリティーなどの課題も解説している。

また、市町村・住民・企業が連携した運用▽住民に理解を得る社会受容性の獲得▽効率的な活用-を行うための事例も紹介。災害時のドローン活用に向けた課題解決の道筋を示した。

県は令和6年度から、ドローン導入について機体導入費用や操縦士養成費用、体制構築費用で2分の1(上限1千万円)を補助する予定という。

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