完全復旧し、車両が通行できるようになった町道。左側が崩落した法面=和歌山県白浜町

関西有数の観光地として知られる白浜温泉街(和歌山県白浜町)で、昨年5月に法面(のりめん)が崩落した町道が今月、約10カ月ぶりに完全復旧し、車両の通行が可能になった。崩落の約1カ月後に歩行者は通行できるようになったが、車両は通行止めが続いていた。町は、大型連休と夏休みを控え観光活性化に期待できるとしている。

崩落は昨年5月20日に町道柳橋小谷線(柳橋通り)で発生。片側の法面が高さ13・5メートル、幅19・1メートルにわたって崩れ、通行止めになった。周辺は飲食店や商店が多い繁華街で、地元の6町内会が同30日に町に早期復旧を要望した。

コンクリート製トンネルを設置し、歩行者通行が可能になった町道=昨年6月、和歌山県白浜町

町はまず、さらに崩落が起きても安全を確保できるようコンクリート製トンネルを設置し、6月23日に歩行者の通行を再開した。法面の復旧工事は、測量や地下のボーリング調査を行った上で12月に開始。今年2月からは反対側法面の亀裂補修なども行い、4月1日に車両の通行を再開した。

同町を訪れる観光客は新型コロナウイルス禍の落ち込みから回復傾向にあり、昨年1年間の観光客数は約296万人と、コロナ禍前の令和元年(平成31年)の約86%まで戻った。

通行止め箇所の完全復旧により交通がスムーズになった。町には便利になったとの声が届いているという。建設課の担当者は「長い間、通行止めにして町民や観光客に不便をかけた。観光などの活性化に期待したい」と話した。

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