元日の能登半島地震で被災した石川県輪島市で、現在の市立小学校9校を3校に再編する案を、市の有識者検討会が取りまとめた。市が26日、市議会全員協議会で示した。

 輪島市教育委員会から諮問を受けた市立学校適正規模等検討委員会が20日、市の中央、西部、東部の3地区で小学校を各1校にする案を答申した。

 中央地区では地震後、校舎が損壊したり避難所になっていたりして、河井(180人)、鳳至(135人)、鵠巣(7人)、大屋(65人)、河原田(8人)、三井(7人)の6小学校(計402人)が一つの仮設校舎で授業をしている。再編案ではこの6校を1校に統合する。

 西部の旧門前町ではいずれも校舎に被害があり、いまは門前中学校で一緒に授業をしている門前東小(29人)と門前西小(26人)の2校を1校に再編。東部の町野小(19人)1校は9月の豪雨で浸水し、児童は約7キロ離れた隣町の能登町立柳田小学校に通学している。案では隣接する東陽中学校(10人)との小中一貫校に再編する。

 検討は地震前の昨秋から進められていた。同市の小学生の数は、昨年5月の701人から今月1日現在で476人に減少。答申は、可能な限り複式学級を解消し、子どもたちが「協働的かつ対話的な力」を育てられる場を提供する必要があるとしている。

 市教委は今後、保護者説明会などを経て、年度内に方針案をまとめる。仮に答申通りに議論が進んだとしても、実際の再編は2026年度以降になる見通し。(上田真由美)

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