来年度の入学者から学部の授業料を年約11万円上げる東京大の方針に対し、学生有志らが17日、反対する約2万7500筆分のオンライン署名と、決定延期を求める要請書を大学側に提出した。

 提出したのは、東大生らによる「東大学費値上げ反対緊急アクション」。5月に東大が授業料の値上げを検討していることが報道で明らかになった後、一部の学生が反対運動を展開し、6月下旬から署名サイトを通じて署名も集められた。

 学生側によると、17日に学内で理事兼副学長の相原博昭氏に、署名の概要や教員らの反対意見を載せた文書と、他の団体と作った要請書を手渡したという。

 要請書では、学生や教員に反対意見がある中、夏季休暇で学生不在の9月中に決定するとしたことについて「合意形成に十分な時間を確保しているとは言えない」と指摘し、藤井輝夫総長らに値上げ決定の延期を求めた。学生側によると、相原氏は、大学の重要事項を協議する教育研究評議会で趣旨を説明すると答えたという。東大広報課は、署名提出などについて「内容を承知していないため、回答は差し控える」とコメントした。

 署名の呼びかけ人で、同アクション理事の金澤伶さん(21)は、署名によって「反対の意見が根強いということを可視化できたと思う」とし、「大学側にはオープンな形での対話を望みたい」と話した。(島崎周)

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