子どもの体験格差をなくそうと、認定NPO法人「フローレンス」(東京都千代田区)は30日、経済的に困難を抱える家庭を対象に、工場見学や動物園に行くといった体験を無料で提供するプラットフォーム「こども冒険バンク」を始めると発表した。8月から利用できる。
- 子どもの「体験格差」、将来にも影響? 専門家、大切なのは「質」
協力企業などが提供する体験プログラムから、利用者が選んで申し込む。すべて無料で、スシローや探究学舎など18社(30日時点)が協力。対象は18歳以下の子どもがいる家庭で、世帯年収400万円以下か、ひとり親や実質ひとり親家庭。年収や世帯状況の分かる書類を提出する。
体験は「心の栄養」
子育て家庭の支援などをしてきたフローレンスによると、世帯年収の低い家庭や、時間の余裕がないひとり親家庭の子どもは、習い事やレジャーなどの体験が少ない傾向にあるという。文部科学省の調査では、体験活動の多い子どもほど、自尊感情が高くなる傾向があることが分かっている。
赤坂緑代表理事は記者会見で、「(体験の少なさは)自尊感情の低下につながる。学力格差や貧困の連鎖を生む可能性も高い」と指摘。「心の栄養になる体験は、子どもの成長に不可欠。体験格差の解消につながる選択肢を増やしていきたい」と語った。詳細は、こども冒険バンクのサイト(https://bokenbank.florence.or.jp/)から。(本間ほのみ)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。